沼底その2

時々とうらぶについて唸る

数珠丸さんとむっちゃんと江雪さんと明石見てきました

表題通り都合3ヶ所で、とうらぶ登場キャラに限ってでは計4振りの刀を拝見してきたので、そのまとめを。
師走ですしね。今年中に。

それにしても何なんだろう11月に入ってからのこの充実ぶり。
ufotable cafeでは花丸cafe始まったし、はなまるうどんはコラボするし。来年1月からは京都スタンプラリー第2段やるんですよね。あと九州ではへし切長谷部と日本号が公開。
そしてゲーム本体でも怒涛のイベント三昧に新刀剣男士発表。
体がいくつあっても足りない(まがお


では以下時系列に従って簡単なレポを。

本興寺さんで数珠丸さんを

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こちらは年に一度、虫干会の一環として。
推定審神者さん多かったですねー。自分のこと棚に上げて言いますが。
ただ、お寺さん側も迎え撃つ気バリバリでありがたいやら何やら、でした。ありがとうございます。

数珠丸さん本体

で、肝心の数珠丸さんですが。
見られたのは10数秒かな。立ち止まるの禁止だったのであんまりきちんとは見られてないんですが、ニッカリ青江とまた違った雰囲気の刀でした。
いや、同じ青江の刀だしいろいろ同じなんでしょうが。
なんというか、ニッカリの方はまだ実戦を感じさせるふうがあったんですが、数珠丸さんの方はもっと端然と佇んでるといいますか。

とにかくまず一見して肌がきれいでした。
照明の関係もあるんでしょうが、比較的落ち着いたというか、鈍い鉄色っぽい色でいかにも古い刀!という感じ。
あと、たぶん結構分厚いんじゃないかな、という印象がひとつ。
変な言い方で申し訳ないんですが、すごい立体感あったんですよね。
少なくともポスターとは全然印象違います。

ほんとはもう一回並び直して見学しようかと思ったんですが、ここであえなくタイムアウト
もしできればまた来年に。今度は数珠も忘れずに。

その他展示物

他にも色々、たとえば秀吉の書いた文なんかがあって大変興味深かったです。
いくら和紙とはいえほんとよく残ってますよね、こういうの。

あとすこし不思議だったのが、やけに螺鈿細工が多かったこと。
漆塗りの細工物が一緒に展示されてることは珍しくないですが、それのほとんどが螺鈿細工ってのはちょっと珍しいと思います。
何か地元に根ざした何かがあるのかな?

御朱印と学生さん

本興寺というお寺は興した方が勉学の徒で教えることに特に重点をおいていたようで。
今も同じ敷地内にお坊さんの学校があるんだそうです。当日、鶴丸紋に「學」の字が添えられた白いタスキをかけていたのが学生さん。
で、虫干会であるこの日は学生のお坊さん(なんていうんだろう)が総動員されてましたw
方丈と開山堂の案内とか同じ敷地内にあった神社への案内とか。…そういや案内役についてる学生のお坊さん多かったな。
もちろん御朱印も学生さん大活躍。書く方でも判を押す方でもすごくまめに働いてらっしゃいました。
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この、奥に立ってる白いたすきの方々が学生さん。
檀家の方や一人前のお坊さん(?)は茶金色のたすきをかけていらっしゃいました。
ただ手前のお二人の内、藍色(?)の袴を付けたお坊さんは鶴丸紋じゃない紋がついてました。本興寺さんの公式ツイートによると、当日は人手が足りなくて近隣や縁のあるお寺や仏具屋さん(数珠丸ポスター売ってた方がそうじゃないかと思う。1人だけ雰囲気違った)から応援の方を呼ばれたとか。なのでたぶんお手伝いの方じゃないかと。

そうそう。私は数珠丸見に行くぜーと思って行ってしまいましたが、やっぱりお寺の行事にお邪魔するんだから数珠くらいは持っていけばよかったです。うちとは宗派違いますけど、わりとちょっと気まずかったんで。

キョーハクでむっちゃんを

さて日を改めてキョーハクこと京都国立博物館に。
一応限定クリアファイル狙い…だったんですが、当日大寝坊やらかして結局ゲットならずでした。
せめてと思ってクリアファイルと等身大パネルの写真は撮ってきました!
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このクリアファイル用新規絵、神ですな。
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陸奥守吉行本体

まずびっくりするくらいまっすぐでした。
むっちゃんだとわかってなかったら「ナタ?」と思うくらい。
熱が加わることによりそりが失われた、のだそうで。
それがなんというか、刀にこういうのおかしいですが痛々しいというか。
むっちゃんの隣に同じく佩刀として埋忠明珠という刀と宗光の脇差が展示されてたんですが、埋忠明珠がなまじきれいに残ってるものだから余計にそう感じてしまいまして。

展示の方ですが、本体のそばに詳細な検査によって発見された本来の刃紋が見えるよう処理された写真も一緒に展示してありました。
それにしても展示の刀は解説にもあったとおり直刃という奴。よくわからないんですが、これ、本来の刃紋の上にもう一回土つけて焼いたって解釈でいいんでしょうか?

その他展示内容

展示は坂本龍馬がやりとりした手紙を中心に構成されてましたので、たくさんの龍馬の手紙を見ることが出来ました。
お兄さんにねだって譲り受けたむっちゃんのことを書いた手紙も見ましたよ! 「吉行の」まで書いたところでだいぶ墨が薄くなったようで一度筆を上げて(?)、墨をつけなおして続き書いたんだなってわかるような感じでした。
それと一枚の和紙の裏表に同時進行でいろんな話を書き付けてる手紙とか。1通の手紙に盛り込みたい話題を、最終的には手紙としておかしくない順番で、でも書きやすいところから書いたようです。驚いたのはこれをどういう順番で書いたのか解析できてること。墨に含まれる不純物の含有量でも調べたんですかね…。なおこの手紙、後年両面ともいっぺんに見られるように和紙を2枚に切り離してまして、こういうこと出来るのは和紙ならではですね。
なんかこういうの面白いですね。

あと坂本龍馬関連で面白かった誰かの直筆の手紙といえば、坂本家に婿入した人が書いた坂本家からの借り物一覧です。
明治維新後なので紙も筆記用具も違うんですよ。紙は薄い洋紙で筆記具は万年筆でした。

もう一つ。伊能全図のうちの一枚を広げて展示してあったのが感動モノでした。噂には聞いてましたがすごい大きさでした。あれの実物を見られる日が来るとは。

それから、英国大使襲撃から身を挺して守った武士へ英国から贈られたという剣。
面白かったです。剣の打ち方(?)は明らかにあちら風だし表面なんか思い切り装飾彫りしてあるし、柄頭は象牙を獅子の形に彫り出した奴だし、これでもかってくらい西洋風に飾り立ててるんですが、それでいて全体の形は日本刀っぽいんですよ。感謝と友好の気持ちをこれでもかと詰め込んだデザインでした。

そんなわけで、博物館で初めて図録買いました。
買って良かったです。これほんといいですね。ていうか図録見ると図録持ってもう一回展示見に行きたくなりますね(おい

ふくやま美術館で明石と江雪さんを

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今回最後はふくやま美術館の展示。
「小松コレクションと五箇伝の名刀」と銘打たれた特別展示でした。
前は2階の常設展示の一角にちょこんと江雪さんでしたが、今回は1階の特別展示スペースをフルに使っての一大イベント。
無知でも聞いたような名前の刀がぞろぞろといらっしゃいました。
すごかったですなんかいろいろ。

明石国行本体

今回は五箇伝それぞれの特徴を見られるように、ということで、会場全体を5つにわけて展示されてました。
そのトップバッターが山城伝。で、その展示のど真ん中に置かれていたのが明石国行です。

で、見た目ですが。
播州明石藩松平家に伝来ということで金色のハバキにちょっと控えめに葵の御紋。
鍔の直ぐ側に当たる場所に同じく控えめに三鈷剣が彫り込まれていて、あとはしっかりと樋が入れられています。
目貫穴(たぶん)が2つ。
「国行」の銘が穴のすぐ下に掘られてるんですが、ちょっと丸ゴシックっぽい字体でした。なんかかわいい。
そして刃自体ですが、キャラからすると意外に感じるくらいすっきりな印象。もちろんとてもきれいなんですが、もっと実用味感じました。
あ、でもかなり細身ですね! そこはキャラの明石っぽいです。
で、ちょっと面白いなと思ったのが、薬師寺で見た来派の短刀と同じくつけられた刃の幅がごく狭く見えたこと。
こんなところに共通点?が。

ところで茎の尻?側、ええと頭って言われる方ですね。そこに妙に角ばった台形の穴が空けられてたんですよね。
こういう穴が開けられてるの初めて見たんですけど、あれはどういう意図があって開けられたものなんでしょう?

江雪左文字本体

2度めぶり。
特別展示とのことでして、ほぼトリを飾る位置の展示でした。さすが阿部さんちの子。
やはりなんとも力強い。案外と豪腕なというんでしょうか、キャラデザよりもステータスに納得する感は変わらず。
前回は隣に正恒があってそちらがきらっきらだったので相対的に控えめな感じに見えましたが、今回はもっと白っぽく見えました。自分の目がまったくあてにならない(

なお福山藩主であり江戸時代末期老中として活躍された阿部正弘さんは、ふくやま美術館から車で5分ほどの福山自動車時計博物館でそのお姿を立体で拝見できます。
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今でもナンバープレート付きの(!)クラッシックカーやら三輪タクシーやら天蓋付き馬車やら二人乗りの飛行機やらが所狭しと展示されている見ごたえある博物館なので、よかったらこちらもぜひ。
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おまけ:銘 正恒

蜂須賀さんちの正恒さん。
以前江雪さんが常設展示室に展示された時にも一緒に展示されてましたね。その時は隣が江雪さんだったせいか、妙に自信ありそげな目立つ刀に見えました。

鶯丸と同じく古備前で、広直刃に小乱れ、小丁字と描写するのだそうですが、個人的にはとても白くて派手で存在感のある、ピカピカきらきらした刀だなと思いました。…時間おいても印象変わってないなw
でも切っ先の方に切り結んだ時に出来たと思われる刀傷があって、こんなにきれいに見えても実際に使われた刀なのだなと実感します。
ちなみにこの「ピカピカきらきら」は板目肌というもののようです。しばらく見てるうちに目の詰んだ綾織の布の表面に似てるのに気づきました。なんか面白いですね。

丸亀市で見た青江と似たような、朱金の地に金蒔絵の漆塗りな拵えも印象に残りました。あとこれでもかと言わんばかりにあしらいまくられた家紋もな!
しかし同じような朱金蒔絵に金箔貼りの仕上げは、四国の流行りだったんでしょうか。それとも時代的な流行り?

展示方法について

今回一番印象に残ったのがこちら。
正直言ってこんなに気合い入れた展示をしてくださるとは。
すごいです。集められた刀もすごかったですが、展示のライティングがすごかったです。
刃紋とか刃中の動きとかいわれるんじゃないかなって処が浮かび上がって見えたの初めてですよ。
これ、たぶんライティングのおかげだと思うんですよね。

その浮かび上がり具合が特にすごかったのが古房という太刀。
ふわふわゆったりとのたれ?とかいう感じに一見見えるんですが、ちょっと首を動かすと丁字とかいう感じのぼこぼこした模様が浮かび上がって見えるんです。トリックアート見てる気分。面白くて左右にガンガン首振って見てました。なんかもうほんとすごかった。
…あかん。日本語崩壊してる。

もう一つ特筆したいのが兼元という刀。
一見ノコギリとか工場の屋根とかみたいなぎざぎざ模様なんですが、実はそのギザギザ一つ一つにやはり丁字?が浮かび上がってました。
そもそもこのノコギリ型ってのが面白くて、さらにもうひと工夫ですよ。やばいですね、かっこいい。粋ってやつでしょうか。

ただそれほど気合を入れた展示をしてくださったためにか、図録は売り切れてました…。
一応再販の予定はあるそうです。福山は所縁あって比較的よく訪れる土地なので、次回行った時に手に入れられればなあと思います。

限定クリアファイルと絵はがき

図録は無理でしたが今回の限定クリアファイルと絵はがき、手に入れられました!
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…麗しい。
同じ構図なのに性格の差が出るのが良いですね!

なお裏面にはそれぞれの刀の姿があしらわれております。
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はがきの方の上下を分ける飾り線(?)もちゃんとそれぞれの刀身です。
それぞれわかりやすいところをアップにするとこんな感じ。
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江雪左文字。
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明石国行。
…こうやって比べると、すごい手前のところでぐっと曲がってるんだなあ、明石。

まとめというか雑感

いろいろはしごしたおかげで照明大事だってことを実感いたしました。
あと和鉄の不思議さですね…! 「鈍色に光る」と言った時、刀とそれ以外では実は全然状態が違いますね!
「そうだったのか」と思うたびに、過去見に行った刀をもう一度見たくなります。もったいない見方してたわーと痛感して。
次に別の刀見に行ったら同じことまた言ってる気がする…。

とりあえず長々と書いてきましたがここまでご覧いただきありがとうございました。