沼底その2

時々とうらぶについて唸る

初生刀ステしてきました

タイトル通りです!

博多の出る舞台にはことごとく敗退しておりましたが、とうとうナマで見ることが出来ました。
今回最大の目当ては文久土佐藩で急浮上してきた南海太郎朝尊先生。

そう、メガネです。そしてマッドサイエンティストです。最高ですね。

あと主役でもある陸奥守吉行。
実は初期刀としてまんばとどっちにするか最後まで悩み、「より銀縁スクエアメガネが似合いそう」という理由でまんばになった当本丸であります。
が、Twitterでメガネかけた土佐弁むつ先生botのアイコンをその後見かけ、「……似合うじゃん!」と後悔しておりました(後悔する理由がおかしい)。
そう、問題は細銀縁か太黒縁かだったんですよ。我ながら何たる不見識。

というわけでわりとダメ元で抽選申し込んだ舞台だったのですが。見られてよかったです。
席は残念ながらあまりよろしい方ではなかったのだけど、すごく面白かった。


以下ネタバレな感想をがっつり書いてるので、ネタバレ見たくない方はご注意ください。

※なお当記事は何か思いつき次第順次追記予定です。

物語は

特命調査・文久土佐藩がベース。

慈伝のように冒頭3分、ということはなく、というか全編ほぼ全部文久土佐藩と言ってよかったのではないでしょうか。

ゲームと同じように5振りで1部隊として出陣。

隊長はむっちゃん、堀川、兼さん、小烏丸、鶴丸
現地で待ち受けていたのは肥前で、播磨屋橋で南海先生と合流するとのこと。
で、合流したはいいけどのっけから地元の土佐者に絡まれる絡まれる。
まあむっちゃん達どうにか捲くんですが。
特命調査用顕現であるせいか肥前はむっちゃん達に負けるとも劣らない腕前。

そして合流した南海先生は。

特命調査用顕現じゃないから守ってねとあっさり言ってのけるマッドサイエンティストな無邪気な傲慢さを最初から披露!
いやゲーム通りなんだけど!
かわいい!
先生かわいいよせんせい!
そして罠のために踊る先生!
先生かわいすぎるよ先生!
踊って罠しかけすぎて最後決めポーズがふらつく先生!(私の見た回ではふらついてました)
かわいすぎて見てるだけで死ねるよ先生!!
その一方で刀であることに自覚的なだけな先生!
罠への情熱はどう説明するの先生!
自分の感情も観察対象な先生!
実にマッドだよ素敵だよ先生!

先生の魅力しかなかった。

……えー、閑話休題

あの追い込み漁がこんな面白い舞台になっちゃうとか、末満さんすごすぎるとしか。
いや、追い込み漁も追い込み漁でおもしろかったんですけどね。
追い込み漁がこんなにおもしろい舞台になっちゃうんだから、最新の特命調査であるマインスイーパ天保江戸なんてどうなっちゃうんだろうって感じです。

もうちょっと真面目な話をすると

今回も刀剣男士側と人間側のドラマが交互に描かれます。

慈伝を除いた今までの刀ステと同じですね。
が、そもそも放棄された世界が舞台なもんで、登場する人間たちもどこか変
首魁として君臨し、土佐に恐怖政治を敷く吉田東洋。それに忠実に仕える武市半平太。その武市半平太に仕えようという気持ちは十分あれど、どこかその場の感情に振り回されがちな、そのくせ剣技はめっぽう強すぎる岡田以蔵
いや、武市半平太って手下に命じて吉田東洋暗殺したじゃないですか。実際に暗殺したのは岡田以蔵ですけど。って劇の最初で描いてたじゃないですか。なんであなたそんな忠臣になってんの。ていうかなんで生きてんの吉田東洋
おかしいったらないです。

そんな違和感の中で

脱藩したけど戻ってきましたっていう龍馬だけが明るく楽しそうで、だけど必死に土佐においていってしまった仲間たちをいい方向に持っていこうとしている。
できるだけ誰も殺さず、死なさず、みんな笑える未来を目指している。
実際、劇中の龍馬はまったく刀を抜かないんですよね。あえて言えば最初に空に向かって銃を発砲したくらい。

でも。
ある意味それは壮大なネタフリなわけで。
最後の最後。しょっぱな「会いとうなかった」と言ったのにずっと龍馬大好きって顔してたむっちゃんと、正体を暴かれてしまった龍馬が対決する。
そこで初めて龍馬が刀を抜きます。
対決する2人は、ライティングもあってちょっと悲伝クライマックスのまんばVS三日月っぽいんですが。
その一方で、2人でじゃれあってるようにも見えまして。
明るいんだけど、悲しい。悲しいけど、微笑ましい。すごい複雑な気持ちになりました。

そもそもこの斬り合い自体、むっちゃんの要望で始まったことでしたしね。
自分の正体を知った龍馬はむっちゃんに「斬ってくれ」と頼んでた。
さらっと自分を斬るよう頼む龍馬はかっこいいし、それを斬り合いにしてくれと頭下げて頼むむっちゃんは、ああ、なるほど龍馬の刀だな、と。

観劇済みの方々が言及されてますが、むっちゃんは龍馬が本物ではない、ということを最初に会った時から気づいてたみたいなんですよね。
龍馬ファンの方からすると特命調査の対象である文久2年、1863年時点での龍馬は言いそうにないこと、知ってそうにないこと、持ってそうにないものを登場時点から見せてたんだそうで。
わかりやすいところで言うと、銃。
龍馬が高杉晋作から銃をもらったのは1866年だそうで、なるほど3年も前だわ、という。
そんなものを出会い頭にぶっぱなしたんだから、そりゃ気づくわな。

しかし、目の前の龍馬が偽物である、ということを理解しながらも、ずっと見つめ続け笑い続けてたむっちゃんの心中は如何ばかりか。
そりゃあ「会いとうなかった」だろうし、かといって自分以外の誰かに斬られるなんてのは以ての外だったでしょう。
斬るなら自分。ただ、無抵抗な「龍馬」を斬るだけ、は抵抗があった。だから「斬り合ってくれ」と。
斬り合うとなれば自分が折れる、ひいては任務に失敗する可能性も出てくるわけですが、それでも望んだのは、むっちゃんという刀剣男士が坂本龍馬という使い手への想いから励起されたからこそなんでしょうね。
だってこれが先生だったら、最初の申し出の時点で受け入れて斬ってたよね確実に。それを思わせるシーンありましたしね。

この龍馬の役者さんが

すごかったんですよ。
御年51歳だそうなんですが。とにかく見えない。
むっちゃんを演じた人と同じくらいの年だと思ってました。正直。
そしてものすごく魅力的な龍馬だった。
聞けば舞台系では有名な役者さんだそうで。
そして改装前のAiiAでは別の劇で龍馬を演じてらしたそうで。
ご本人がブログでいろいろ書いていらっしゃいましたが、そりゃそうだよなあと。
そんな人に2.5次元舞台といえど龍馬をお願いする末満さんまじ末満さん。

対決といえば

文久土佐藩組である肥前くんにも先生にも言及がありました。

肥前くんは物悲しかった。

考えるのはほんとに苦手。だけど武市半平太が好き! 龍馬が好き! 役に立ちたい! という気持ちが強すぎた岡田以蔵との対面が、苦しかった。
岡田以蔵肥前くんのことを「俺と同じ人斬りの匂いだ」と言い、「斬りたい訳じゃねえんだよ」と肥前くんが返す。その返した言葉はまるきり以蔵の気持ちでもある。
そういうふたりが出会い頭から切り合い、やがて共闘して、そして結局切り合う。
苦しい。苦しすぎる。

一方の南海先生は。

自分のかつての主であった武市半平太にも、自身にもかなり突き放した目線を維持してて、たぶんそれが逆に先生を救ってた、と思います。
そもそも南海先生は刀鍛冶寄りに顕現された、と本人も言ってますしね。
とはいえ、自分だけじゃなく他の刀剣男士達にもずっと「自分たちは刀だ」と言い続け、結果として他の男士達も「刀」であり続けさせた、というその姿勢は、すごく南海先生らしいけどなんとも言えないものがありました。
だって言ってる先生自身が、自分が武市半平太を手に掛けた時には何らかの心理的作用があるだろうと推察していましたからね。
心理的作用がある、ってつまり何か強い感情を感じるだろうと思ってたわけですからね。
刀であるだけだったら感じないはずの感情を感じるだろうと思ってたわけですからね。
その上で刀であることを自分に定義づけてたわけですからね。自分だけじゃなく他の刀剣男士にもですが。
感情にブレーキを掛けると決めてた、それを守った。
……では、ブレーキを掛けられ注意深く仕舞われた心は一体何を感じていたのか。
それを考えると、南海先生も苦しい。

今回もう一つすごかったのが舞台セット。

めちゃくちゃ動きます。

最大高3~4メートルくらいの、底面が長方形の奴と平行四辺形の奴が2個ずつ(たぶん)。あと階段状に作ったのが2つくらい。他にもいくつかあったと思うんですが、底面にキャスターがついたそれらが、とにかく動く。人力でがりがり動く。動いて土佐の城下町風景をどんどん描き出していく。城下町、橋近くのあばらや街、川の土手っぺり、龍馬の潜伏している宿屋。
それらが、組み合わせ次第でどんどん描き出されていくんですよ。あれを設計した人の頭の中身はどうなってるんだろうってくらい立体創造力が極まってました。

……正直言って。

うっかりセットとその移動に魅入られてて劇の内容ところどころ朧なんですよね。
他の方の感想とか見てて、「あれ、そんなこと言ってたっけ?」と思うことが時々あって。たぶんセット見てたんだと思います。複雑な面構造が面白すぎてどういう構造なのかついつい頭の中で構成しようとしちゃって。

だってね。引き戸を開ける閉めるだけで表現してるシーンとかあったんですよ。
たしかにな! たしかにあの引き戸、きっちり開けてしまえばただのコの字に切られた入り口に見えるように作られてたよな! けど閉めればそこにはあばら家が出現するんですよ! もうテクスチャーからすごい! あの、どうとでも取れるテクスチャー! そしてそれを効果的にオンオフしてみせるライティングとプロジェクションマッピング
各セットの移動経路なんか、ほんと相当考えに考えたのだろうと思います。人間の移動経路も合わせて考えると頭おかしくなるくらい複雑なパズルですもの。

そしてパンフ。

今回の、維伝のパンフやばいです。
顕現順と刀ステの各エピソードの順番が収録されてます。
これがとんでもなく衝撃的でした。

f:id:yraurb:20191227093927p:plain
刀ステ顕現順一覧
濃い色表示はその劇に出演した刀剣男士。薄い色表示は劇中で名前を言及された刀剣男士。

「?」のところは、エピソード名はパンフでは滲んで読めなくなってる部分。なお維伝より後は焼けて読めないようになってます。
……これ素直に読むと少なくともあと4本、描かれてないエピソードがあるってことになりますよね!
脚本が末満さんだから後々小説で言及、の可能性もありますが。

刀剣男士の方の「?」は、それぞれ2振りいる刀剣男士のどちらなのかわからない部分。
刀ステ、途中でキャスト変更があった刀剣男士が3振りいるんですが。そのうち少なくとも鶴丸国永はキャス変自体に意味があるという話がありまして……。
だとすると劇中で言及された鶴丸はどっちの鶴丸なのか判明しない……。
あとそもそもダブってる分の刀剣男士はこの順番でいいのか分からない。
一番わかりやすいキャス変があった虚伝の初演と再演。これ、初演が初期で再演が2回目以降って誰も言ってない。
そもそも虚伝で出た男士の実に半分が以降のステで登場してないってこともなかなか突っ込みどころじゃないですかね……?

突っ込みたいのはそこだけではなく。

三日月が遅い。

私は、ステ本丸はポケット本丸だと信じてました。つまりまんばと小夜と三日月と小狐丸で始まった本丸だと。
でも考えてみたら小狐丸出てないわ。
あと三日月の前に博多いる!!

山伏国広が遅い。

ジョ伝の序伝。コモンばっかりの編成見た時には「さもありなん」と思ってましたが。いや待ってこれが本当に顕現順だとしたら、そりゃまんばと同じ戦場に出したらぶっさん折れるわ……。
とはいえですよ。
ぶっさんがまんばの精神的フォローのために一緒の出陣を望んだ、ってのはありそうな話だし、もし審神者からの提案であったとしたらそれはそれで納得行く話。ではあるのですが。
ぶっさんの前に大太刀2振り、太刀3振りいるんですよ。安全を考えたらそっちを優先させて出陣させるのでは……。
一つ思ったのは「もしかして大太刀2振り太刀3振りは大阪城を掘ってる最中だった?」でしたが。
なんとなくそんな平和な理由ではないようにも思えてしまうんですよね。刀ステだから!


すいませんまだまだここは書き足す。

そういうわけなので。

ちゃんと劇を劇として認識するためにもライブビューイングが今すごい楽しみです。行きます。